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10周年 特設サイト|フラワーナイトガール FLOWER KNIGHT GIRL

  • 2024.11.27
コラム:花騎士制作秘話「幻の企画案・デザイン案」

フラワーナイトガール10周年に向けた特別企画の一つとして、団長の皆様に「コラム:花騎士制作秘話」を全6回予定で毎月お届けします!

サービス提供期間が10年近くにも及ぶと、多くのゲーム内企画が立ち上がっては消えていきました。
また、数百のキャラクター、数千を超えるアイテムを制作するにあたって、実装されたものとは異なる別デザイン案などが数多に存在します。

第4回となる今回は、陽の目を見ることが無かった、各種の「ボツ企画」「別デザイン案」を、ごくごく一部ではありますが、特別に紹介します!

■特別公開:ボツ企画

◯カラクリ無限城バトルラッシュ(仮称)
カラクリ無限城のバトルステージを利用した連戦バトルコンテンツ。
最初に選択したパーティのみで、ランダムに呼び出されるカラクリ無限城の各階層のバトルステージに連続で挑戦し、
どれだけ多く連勝ができるかに挑戦するコンテンツであった。
ゲームシステムの都合上、ランダムにカラクリ無限城のバトルステージを呼び出すことが困難で、
様々な手法で解決を目指したが、成し遂げられずにお蔵入りとなった。

◯敵の強さを任意に設定できるバトルステージ

2021年ごろの企画書より抜粋(一部黒塗り)

団長側で敵のステータスや使用アビリティの内容を任意に設定することができる他、味方パーティ側にも「縛り」を付けることができるバトルコンテンツ。その設定内容(難易度)に応じて、勝利時の報酬内容も変化する想定であった。

敵の強さを任意に設定できるバトルコンテンツは、過去2回検討されている。最初は2021年頃で、ミッション達成型エンドコンテンツとして
「極限指令ダンジョン」の仮称で検討され、2回目は「レイドボス」イベントの「腕試し」の改修案として検討された。

しかし、フラワーナイトガールのバトルステージは、敵の強さや種類が1つにパッケージされて実装される仕組み上、
パッケージの中身である敵のデータをユーザー個別に可変させることは技術的ハードルが非常に高く、なんとか実現を目指したもの、
あえなくお蔵入りに。

◯害虫採集のアップデート「害虫バトル」(仮称)
緊急任務イベントの形式の1つ「害虫採集」のアップデートとして考えられていた、採集した害虫を使役して、育成・バトルをさせるコンテンツ。
甲虫を闘わせるゲームや、某サバイバルホラーゲームのDLCミニゲーム、賭博を題材にした漫画、などをベンチマークにジャンケンをベースとしたゲームデザインを検討していた。

フラワーナイトーガールのメインである花騎士の育成やバトル以外で、バトルバランスの設計と継続的な更新が必要になるため、緊急任務イベントとしては大仰すぎるうえに開発コストも高く、害虫採集イベントの実施頻度の低減もあって、見送りとなった。

◯ステルスサンタさんミニゲーム(仮称)

企画書に添付されていたイメージ画像より抜粋(一部黒塗り)

2023年12月のクリスマス時にリリースを目指していたミニゲーム企画「ステルスサンタさんミニゲーム」(仮称)。
同年のハロウィン『HWはざぁど?』や2024年エイプリルフール『USOパラレル学園』などに連なる、シーズナルキャンペーンの一部となる企画として検討されていた。

画面内のサンタ(団長)を操作して、寝ている花騎士に気付かれないように近づき、制限時間内にこっそりプレゼントを置いて部屋から脱出すればクリアとなるミニゲーム。
移動によって生じる「騒音」は移動速度や行動内容によって変動するほか、ステージ内に行動を阻害するギミックなどを配置することで、難易度を調整する想定であった。

既存の庭園オブジェ等を流用することでデザイン制作のコストはある程度圧縮されるものの、アニメーション制作やシステム開発のコストが、期間限定のミニゲームでやるレベルではないほどに重かったため、2023年のクリスマスは、『聖夜のはらぺこナーエ』を開催することにして、廃案とした。

◯ベイサボール系ミニゲーム

モウセンゴケは強打の内野手、オオイヌノフグリは俊足堅守の外野手にそれぞれしたかった

野球、もとい「ベイサボール」をテーマにしたミニゲームは、様々な機会で何度も案に上がるが、そのたびに見送られている。

・メンテナンス中の告知画面でプレイできるバッティングゲームを拡張した、某クマの本塁打競争ゲーム
・各国家に「球団」を設置し、ペナントレースを戦わせるシミュレーションゲーム
・団長が監督となるベイサボール選手育成シュミレーションゲーム

などがあり、いずれもエイプリルフールのような期間限定イベントの一環として検討されたが、開発コストが非常に高いため、実現は難しかった。

■特別公開:別デザイン案【アイテム編】

◯スタミナ回復蜜

スタミナ50%回復蜜の原型となったアイテム。添付資料には「スタミナポーション?」と仮名が記載されている。
割合回復ではなく固定値でのスタミナ回復を想定していたようで、企画の初期段階ではスタミナ50%回復蜜とともに実装するつもりでいたが、スタミナ50%回復蜜のみが正式に実装された。

複数のカラーバリエーションがあるのは、開発段階のデザイン案のパターン出しによるもの。

◯コダイバナの技花/コダイバナの装花/コダイバナの世界花

実は★2キャラクターにも「コダイバナの技花」が用意される予定であり、ゲーム内データとしても存在していたりする。
しかし、★2キャラクターは入手性が高く、アイテムとしての必要性が薄いと判断され、実装は見送られた。
また、★2用のコダイバナの技花は、花のデザインが実装されている★3以上のコダイバナの技花のそれとは異なっている。これは、「コダイバナの装花」と花の形で見分けが付きづらいという指摘があり、急遽再デザインされたため。そのため、★3以上のコダイバナの技花にも別デザインが存在する。

「コダイバナの装花」もまた、★4以下のキャラクター用のものが用意される予定であった。スキルLvと異なり、装備枠は同一キャラと合成すれば確実に解放できるため、★4以下は必要性が薄いと判断され、同じく実装は見送られた。
なお、コダイバナの技花と同じく、★2用のコダイバナの装花もゲーム内データ上は残存しているが、デザイン等は制作されていない。

さらに、★4以下のフラワーメモリー用の「コダイバナの世界花」もある。★4以下のフラワーメモリーは入手性が高いので、不要と判断され実装は見送られた。

◯水影の秘石

「水影の秘石の欠片」の上位アイテムである「水影の秘石」には、★6以外は実装されていないが、デザイン自体は制作されている。

装備の進化合成の機能が当初の想定と変更になった関係で、特に用途がなくなってしまった。

【フラワーメモリーイラスト編】

◯「驚天カラクリ城」初期イラスト

★4フラワーメモリー「驚天カラクリ城」のイラストは、当初は上記の左になる予定であった。
このイラストは、同名の緊急任務イベントに登場する背景イラストを加工したものだが、左のままでは絵として見栄えが良くなかったため、急遽右に差し替えられた。

月がデカい。

◯「ハッピーイースター!」別構図案

★6フラワーメモリー「ハッピーイースター!」は、2つの構図案があった。
やや煽り構図となっている左は、背景がほぼ青空一色になる点やキャラの前後感が薄い点でやや平面的に感じられるため、より躍動感を感じられる実装イラストの構図案が採用された。

◯「熱狂の一発逆転!」別構図案

★6フラワーメモリー「熱狂の一発逆転!」のイラストは、ウサギゴケやジャノメエリカの視点に近い背景で描かれていたが、スワンボートのスピード感をより演出したかったため実装イラストのような構図となった。

◯「恥じらいと月見団子」別構図案

★6フラワーメモリー「恥じらいと月見団子」には、採用されたものも含めて3パターンの構図案があった。

構図案①は、一枚絵としてみた場合には優れているもののベルゲニアの顔がハッキリ見えないため、構図案②はFMタイトルやモチーフとなったシナリオエピソードに反して背景に月が描写できないため、実装イラストのような2人の背後から見た構図となった。

◯「はぐれることがないように」と「リーダーの座は誰のもの?」の別表情案

構図だけでなく、表情の別案もあったりする。上記の2つのフラワーメモリーは、それぞれ表情案①を採用している。

「はぐれることがないように」は、①満面の笑み と ②優し気な微笑み との選択で、ビオラらしい表情は前者だと考えた。
「リーダーの座は誰のもの?」は、①ちょっと焦りのある表情 と ②楽しげな笑み だが、前者の方がイラストのモチーフとなっているシチュエーションに適しているとして採用した。

【キャラクターイラスト編】

◯フォス連盟のマントデザイン案

★6ラフレシアなどのが纏っているマントは、フォス連盟に属するキャラクターで共通のデザインとなっているが、デザイン案は複数パターンがあった。

◯★5ヤコウボクの通常立ち絵

★5ヤコウボクの通常立ち絵は、イラストレーターより3つの構図案が提示されていた。
左の2案は、腰のラインがハッキリと出ておりセクシーさがよく演出されているため、採用を巡って運営内でも意見が割れたが、胸元を強調したかったことと、貴族の出であり気品を纏わせたかったことから、実装イラストのようにまっすぐ正面を見据え、前屈みで腰に手を当て、脚を閉じたポージングが採用された。

◯★6カルダミネ・リラタ(男装の麗人)の通常立ち絵

★6カルダミネ・リラタ(男装の麗人)の通常立ち絵は、構図やポージングではなく、複数の髪型案がイラストレーターより提案されていた。

①は後ろ髪をお団子にアップした髪型で、②は一部を編み込みにしつつも下した髪型。
いずれもカルダミネ・リラタらしい上品さを感じるが、パンツスタイルの男装という衣装の性質上、女性的な印象を受ける髪型は避けたく、実装イラストのような活動的かつ気の強さを感じる両サイドの髪を垂らしたポニーテイルスタイルになった。

◯★5ハゼラン(ジューンブライド)の進化立ち絵

イラストレーターより提示された初期立ち絵案。
とても良い、とても良いのですが……ほかのキャラクターも描かれているとなると、実現が難しいところでした……。

【その他】

◯ナズナスキンの別デザイン案

◯モブキャラ 別デザイン案

◯モブ文官のデザイン案ラフ

◯ボツ庭園オブジェ

■特別公開:データ上にのみ存在するアイテム

ゲームデータ上は存在しているが、特に何の機能・効果もなく、アイコンなどのデザインも用意されていないアイテム(?)がある。
アイテムには、それをシステム的に識別するためのIDとして個々に番号が振られているのだが、開発を進めるうえで取り急ぎID番号を設定したものの、最終的に使われることはなく欠番となってしまったものである。

例として、以下のようなものがある。

〇ID:「727」 アイテム名:「ナズナ」
語呂合わせでナズナと読める727番を、後々の施策のために意図的に欠番にしておいたもの。

〇「クガイソウの技花」「クガイソウの装花」
華霊石もしくは団長メダル交換所で獲得可能なキャラクター「★6クガイソウ」のスキルLv上昇や装備枠解放が行える、専用の「技花」「装花」。
★6クガイソウのリリースにあたり、専用の「技花」「装花」の実装を想定して、ID番号を事前に用意していたようだが、★6クガイソウは交換所で複数入手できることと、汎用のコダイバナの技花および装花で事足りるということで、実際に制作されることは無かった。

■「ボツ」「別案」についてのあれこれ

〇何をもって「ボツ」と言うのかは難しい
単に「ボツ」といっても、担当者のメモ書きレベルから、仕様・デザイン・システムまですべて制作したうえで直前に実装が取り止めになったものまで、いろいろである。
メモ書きレベルに留まっているのであれば、会議でのアイデア出しの1つであってボツ以前な気がするし、開発途中で中止になったものであれば、そのすべてがボツでなく、機能の一部はそのまま実装される場合もある。

また、現段階では「ボツ」扱いでも、再検討の結果、後日に別の形で正式実装されるかもしれないし、企画内容やデザイン物が他の企画にそのまま流用されるかもしれない。
例えば、世界花の「毛玉形態」のビジュアルデザインは、本来は強化霊マニュのような素材アイテムに使用する目的で制作されたもので、数年の時を経て、世界花達と紐づけられて陽の目をみることになった。

そのため、現在も運用中のフラワーナイトガールにおいては、ここで紹介する企画も、本当の意味で「ボツ」といえるかは分からない。ボツなどと言っておきながら、後にシレっと実装されるかもしれない。

〇そもそも「ボツ」「別案」が資料として残ることは稀
「ボツ」「別案」とは、ゲーム内での使用等を見送られたものであるから、このコラムような特殊な使い方をしないのであれば、特に必要のないものである。そのため、後に流用できそうなレベルで作り込んであるのでもなければ、わざわざ保存・管理されることはほぼない。

今回紹介したものは、数多の「ボツ」「別案」のうち、たまたま情報が残されていたものである。

本来であれば団長の皆様は決して見ることは無かったであろう、ボツ企画や別案をご紹介させていただきました。

次回も知られざるフラワーナイトガール情報をご紹介いたしますので、ぜひお楽しみに!

フラワーナイトガール運営チーム