News

10周年 特設サイト|フラワーナイトガール FLOWER KNIGHT GIRL

  • 2024.09.27
コラム:花騎士制作秘話「キャラクターができるまで」

フラワーナイトガール10周年に向けた特別企画の一つとして、団長の皆様に「コラム:花騎士制作秘話」を全6回予定で毎月お届けします!

第2回は、フラワーナイトガールの世界を彩る「キャラクター」がどのように制作されているのか、その一部を紹介!
※掲載にあたりお見せできない資料(社外秘)については、黒塗りとさせていただきますのでご了承ください。

■キャラクターがゲーム内でリリースされるまで

キャラクターがゲーム内でリリースされるまでには、主に次のような工程を経る。

① キャラクターのリリース計画の策定
② キャラクターの設定やボイス台本の作成
③ イラストレーターによるイラスト制作
④ シナリオライターによるキャラクエなどのテキスト制作
⑤ ③で制作したイラストをもとに ちびキャライラストを制作
⑥ ⑤のちびキャライラストのアニメーションを制作
⑦ ②および④で制作した台本によるボイス収録
⑧ キャラクターのバトル性能の検討
⑨ 完成したイラスト・シナリオ・ボイス・アニメーションのデータをゲームに入れるためのデータに整理
⑩ ⑨のデータをゲームへ入れ込み
⑪ ⑧で検討したバトル性能をデータとしてゲームへ入れ込み
⑫ メンテナンスを実施して実際のゲーム内でリリース

キャラクターごとに必要となる制作期間は異なるものの、①~⑫までの工程に平均8~11ヶ月を要する。

■キャラクターのリリース計画の策定

キャラクター制作をするうえでまず行うことが、「いつ」「誰を」「どのように」リリースするのかというリリース計画の策定である。

メインストーリーやサイドストーリーをどのタイミングで更新するか、緊急任務イベントやコラボイベントをいつ実施するか、など、キャラクターのリリースに影響する企画については、早い段階から年間計画を立てている。
この年間計画内の企画内容から、制作すべきキャラクターの内容(新キャラか衣装替えか等)、モチーフとする花、人数などを決定し、あわせて平均制作期間から逆算して制作スケジュールを引く。

例えば、2024年8月に公開したサイドストーリー「精霊禁書の後継者」のキーキャラクターである「ゴジアオイ」は、2023年9月時点でキャラクターの設定や方向性等がおおよそ確定していた。

■シナリオとキャラクターグループの構想


フォス連盟の構想初期段階の資料から抜粋

メインストーリーなどの長期間にわたって展開されるシナリオの場合、結末までのプロットを作成し、年間計画にあわせて全体のストーリーラインを定め、制作するキャラクターとそのリリース時期を決定する。
物語の都合上、本来のリリース予定日よりも前に顔出し的にシナリオに登場させる際は、制作スケジュールの調整が行われることもある。

複数のキャラクターが特定のグループ(例えば「ネライダ」や「ディープレコード」などの組織)に属している場合、そのグループについての統一的な設定が同時に練られる。

■キャラクター設定資料と制作指示書の作成


スイカズラのキャラクター設定資料から抜粋

リリースするキャラクターと制作スケジュールを決定したら、基本となる「キャラクター設定資料」を作成する。
これは、キャラクターの生い立ち、信条や趣味趣向、性格や言動、身長や体形などの見た目といった、キャラクターを説明するうえで基本となる資料である。2024年1月に新規実装した「キャラクタープロフィール」の内容もここから抜粋しているが、まだ載せきれていない情報も多い。オトモ(傍らに寄り添う動物など)や戦闘方法などもここで設定される。

キャラクター設定が完成したら、次いでキャラクターのイラスト・シナリオ・アニメーションを制作するうえで必要となる制作指示書の作成が行われる。
参考画像が添付される場合もあるが、基本的にはテキストベースの資料となり、イラスト指示書であれば髪の色や衣装・武器のデザイン・ポージングなどの指定が、シナリオ指示書であれば具体的なエピソードの内容や細かな口調に関する指定が、アニメーション指示書であれば戦闘方法や庭園でのそのキャラらしい動きについての指定が、それぞれ細かく記述されている。

キャラクター設定資料と制作指示書は、発注時期が来ると、イラストレーターやシナリオライターなどに共有され、各々がこれに従って制作を進めていく。

■イラストの制作

【制作の段階】


★6ブロス(通常立ち絵)の制作過程

キャラクターイラストは、大きく分けて ラフ→線画→彩色 の3段階で制作される。

ラフ:ポージングや大まかなデザイン、配色の確認のための工程
線画:細かな描き込みを行う工程
彩色:体や衣装等に色を塗り、明暗・陰影、エフェクトなどを入れる工程

各段階で指示書との相違やレギュレーションへの抵触がないかの確認と、「赤入れ」と呼ばれる細かな修正指示が行われる。
彩色段階で問題が無ければ、「表情差分」を描き加えて完成となる。

【キャラクターデザイン案の選択】


★6サンのキャラクターデザイン案
実際の制作にあたっては「案2」が選択された

原則として、イラスト指示書からの逸脱がなければ、キャラクターデザインはイラストレーターに一任している。

ただし、イラストレーターから複数のキャラクターデザイン案が提示され、これを運営側で選択する場合もある。提案いただいたデザイン案はどれも捨てがたく、選定に難儀する場合も多いが、「過去キャラにない新しさ」「市場における流行」「衣装のイラスト映え」「キャラ設定に沿っているか」などを考慮して、都度選択している。


フォス連盟の共通衣装のデザイン設定画
イラストレーターはこの設定画に沿って衣装を描く

衣装デザインについても同様にイラストレーターに一任しているが、複数のキャラクターで共通の衣装を纏う場合(フォス連盟・古代花騎士等)は運営側で具体的な衣装デザインを作成している。
これを制作指示書に添付してイラストレーターに共有し、実際の衣装デザインに落とし込んでいただいている。

【構図案の選択】


★6ブラックベリー(イースター) 開花立ち絵の構図案3種と完成稿

キャラクターによっては、ラフの前段階で複数の構図案の提案をイラストレーターからいただく場合がある。
キャラクターデザインと同様、選択に困ることが多いが、「キャラクターの設定にマッチすると思われるもの」「イラストとしてより映えると思われるもの」を出来る限り選択している。

■ちびキャライラストとアニメーションの制作

【ちびキャライラストの制作】


★6ポトス(水着)のちびキャライラストと通常立ち絵
ぱっと見では一枚の絵だがデータ上は各部位で分離しており、立ち絵では分からない各小物のデザインもあわせて用意する


ちびキャラ素体の一部

立ち絵イラストをもとに ちびキャライラスト を制作する。制作にあたっては、絵柄や頭身に統一感が出るよう、ベースとなる「素体」にキャラクターの衣装や顔を描き加えていく。

ちびキャライラストは一見すると1枚絵のようにも見えるが、アニメーションさせるため、データ上では手足や髪などの部位ごとに細かく分割されている。分割方法はある程度規格化されているが、パーツ数は衣装や装飾の細かさなどによって上下し、多いと200パーツ以上となることもある。

また、通常の立ち絵イラストでは描写されていない武器などの小物もパーツとして描き出す必要があるため、イラストレーターには立ち絵とは別に武器デザインの資料の作成を依頼する場合もある。

【アニメーションの制作】


★6ゼラニウム(水着)のアニメーションデータ
分割した各パーツにそれぞれボーンを設定し、動きを付けていく

アニメーションソフトウェアを用いて、完成したちびキャライラストにアニメーションを作成する。
アニメーションは、大まかに次の3段階で制作される。

絵コンテ:シーンごとのキャラの動きやエフェクト・演出の指定
アニメーションデータ作成:ちびキャライラストに絵コンテに基づいたアニメーションを付ける
エフェクト入れ:爆炎や光などの視覚効果を加える

エフェクトについては、ちびキャライラストにあわせてアセットが作成されている。既存アセットを流用する場合もあるが、新たに専用のアセットを描き起こすことが多い。


絵コンテの一部と実際のアニメーション

■テキスト制作とボイス収録

【テキストの制作】


★6ヒスイカズラのキャラクエ台本より抜粋

シナリオライターは、キャラクター設定資料と制作指示書に基づいて、そのキャラクターに関する専用シナリオとボイスセリフの執筆を行う。
シナリオは、大まかに プロットの作成 → 執筆 の順で行われる。ボイスセリフについては、セリフの種類ごとにそのキャラクターらしいセリフであるか、細かく確認される。

ボイスが必要になるテキストについては、収録用の台本を作成する。

【ボイス収録】

台本が完成し実際にボイス収録が可能になると、音声収録会社の協力の元、声優の選定と収録スケジュールの調整を行う。

収録に際しては、運営スタッフも現場に立ち会い、演技に関する細かな要望を声優にお伝えしながら、1つ1つのセリフにお声を充てていただいている。

収録された音声データは、音声収録会社によってノイズ除去や調整が行われ、後日納品される。

■バトル性能の設定

キャラクターのバトル性能、すなわちパラメータ数値・スキルの種類・アビリティの内容などは、できる限りキャラクター設定に則った戦い方ができるよう、現在のバトルバランス環境も考慮しながら決定している。

これまでにないアビリティを採用する場合は、プログラマーによる開発の必要やアニメーション制作への影響が出る可能性があるため、かなり早い段階に性能の方針等が策定されていることが多い。

日頃、どのような工程でキャラクターの制作を進めているのかを、簡単ながらご紹介させていただきました。

ボツになったデザイン案など、お見せしたい未公開情報もたくさんございますが、それはまたの機会にお見せできればと思います。

次回も知られざるフラワーナイトガール情報をご紹介いたしますので、ぜひお楽しみに!

フラワーナイトガール運営チーム